vol.24「都道府県事務所号」(2024.5)

今号のつひまぶは、「都道府県の大阪事務所特集」です。
編集メンバーの髙橋教授が英国留学前からあたためていた、1年越しの企画です。

北区には、大阪駅前第1ビル〜第4ビルに、全国の都道府県の大阪事務所が集積しているって、ご存じですか?
あるんです、26都道府県分。

かつて中之島に全国の蔵屋敷が集中していたように、現代では、この商都大阪に全国都道府県の自治体が事務所を置いているのですよ。

それがどうした?って話ですが、まあ、聞いてください。
この事務所、僕たち一般人も訪れることができるし、結構、使えるのですよ。

たとえば、今年の夏の旅行に沖縄旅行を計画したとするじゃないですか。
普通は、旅の計画を立てるにあたって、いろいろと情報収集するじゃないですか。
その情報収集って、ネットだったり書店で売ってるガイドブックだったりするわけじゃないですか。
でもね、そんなときこそ、大阪事務所なのですよ。
どの都道府県の大阪事務所でも、行くと、信じられないくらいたくさんのパンフが配架されています。どこもかしこも。
全県マップ、エリア別の観光情報紹介、おすすめルートの紹介、その土地土地の物語、マリンスポーツや自転車、トレッキングなどのアクティビティ別のパンフ、人物伝、歴史物語、地域文化を紹介する冊子、名産品リスト、グルメマップに夜の歓楽街情報、バスの路線図に船の運航表…。るるぶやことりっぷもいいけど、まーとにかく、これでもかって種類のパンフがあります。
しかも全部最新版。
しかも、もちろん、全部タダ。
しかも、今はどこも観光に力を入れているので、どのパンフもデザインのレベルが高く、手元に置いておきたい永久保存版的なものもたくさんあります。読み物としてもじゅうぶんに耐えうるような冊子もたくさんあるし、タレントを起用したものもたくさんありますわ。
アニメや映画の舞台になった、いわゆる「聖地」の巡礼用マップもあります。その主人公が載ったパンフやポスターは、現地まで行かずとも大阪事務所で手に入れられることだってあり、これは穴場ではないですか。
さらにね、大阪事務所にいる職員さんたちは、ほとんどが本国から来ている人たちなので、ナマでオリジナルの地域情報を持っているわけです。そんなとっておきの情報を教えてもらうこともできます。なんなら旅行計画時のコンシェルジュです。旅行代理店の人が情報収集に聞きにくるケースだってあるくらいで。
と、ここまでで、利用しない手はないということがお分かりかと思います。

まだまだあります。
大阪駅前ビルにある大阪事務所の半数くらいは、物産売ってます!
長野県の吊るしベーコン、福島県の桃、三重県のなが餅、九州各県の焼酎…、書き出すとキリがないのだけど、取材で訪れるたびに財布から札が消えていくんですよ(笑) 百貨店の物産展でもヤバいのに、大阪事務所だと人混みもなく、ゆっくりと品定めすることができ…、いやマジで、危険地帯です。。 安いし。

ほか、移住関係はどの都道府県も力を入れています。なので、IJUターン他で移住を考えている方は、まずは大阪事務所の門を叩きましょう。AI搭載のマッチングアプリにはない、スペシャリストな職員が愛と思いやりいっぱいで寄り添いながら移住相談に乗ってくれることが多いです。AI時代だからこそ、人が応対してくれることのありがたさがわかるってもんです。
移住の場合は、ぼんやりとイメージしているだけで、移住の目的や目指すライフスタイルが明確になっていないケースが多いのだそうです。でも、それだと、移住後に、こんなはずじゃなかった!って失敗することにもなりかねない。そうならないように、大阪事務所のスタッフが相談者と話しながら、目指す移住のかたちをクリアにする手伝いをしてくれます。これ大事!

人の移住だけじゃない、企業誘致も、大阪事務所の大切な仕事です。
どの事務所にも、工業団地のパンフなどが置いてあります。どれくらい補助金が出るのか、どんなサポートがあるのかなど、最初のとっかかりは、大阪事務所が一番。空港利用情報とか、社宅のこととか、結構細かいことに対応してくれるところもあります。
お話をお聞きした福島県は、見本市や経済団体の会合に顔を出したりしてパイプをつくり、誘致情報を流したりと、営業マン的な仕事をされてます。

そして忘れてならないのは、県人会
僕は大阪の人間だから県人会って縁がないけど、地方出身者の拠りどころになってますよね。甲子園とかラグビーとか駅伝とか、関西は全国大会が多いじゃないですか。その全国大会でお国のチームや人にあらんかぎりの声援を送るのは、県人会のみなさん。そうやって親睦を図ってます。そんな県人会の事務局は大阪事務所にあったりします。そんな話も。

そして奈良県立大学のマップ学者松岡准教授のマップコラム「マップ考現学」は、今号では見開きでどーんと拡大版。
そもそも、大阪事務所って、マップの宝庫ですから。各大阪事務所を一周しただけで、あっちゅー間に紙袋数個分のマップが集まります。整理するだけでも大変!
マップって、現地に行かないと手に入らないものだと思っていたところ、むしろ現地のどの場所よりも大阪事務所に集まっていることがわかってきました。だって、現地だと、その場所のマップが主だけど、大阪事務所だと県全域分揃っているわけです。
そんなマップを、大阪事務所ではどのように活用しているのか。そんな話を取材しています。

ほいで、忘れてならないのは、大阪市や大阪府は、もちろん大阪事務所を構えてはいなけれども(そりゃそうだ)、東京事務所を持ってますよね。なんなら海外の都市にも事務所持ってるかもですね。
そのへんもフォローしたいと思い、東京事務所を取材しましたですよ。
するとなんと、現在の東京事務所所長は、10年前、つひまぶの事業がはじまった当時に、北区におられた方です。なんちゅーご縁。東京でどんな仕事をされているのか、大阪勤務とどこが違うのかなど、いろいろ聞いています。なかなか興味深いです。

「キタと彼女のラブストーリー」は、鳥取県関西本部の高務裕子本部長にお話を聞いています。大阪事務所関係でどなたかお話を聞かせていただける女性はいないかなーと、探していたら、高務さんに辿り着きました。
というか、大阪駅前ビルに都道府県事務所が集積していることもあり、横のつながりがあるんですよ。で、そんな横のつながりを中心におられたのが、山梨県大阪事務所の広瀬信吾所長。とてもアグレッシブな方で、大阪のあちこちにパイプをお持ちで、今号ではどれだけお世話になったことか。あそこにこんな人がいるよ、あっちにはあんな人がいるよ、あの県につないでほしいの?お安い御用!ってかんじで、次々とつないでいただき、高務さんとも、ソッコーで取材が実現しました。

そんなプロセスでたどり着いた高務さんは、民間企業から県庁入りし、東京事務所勤務も経ての関西本部本部長です。幼少期から地元鳥取でのお仕事のこと、関西本出のお仕事ぶり、大阪のことなど、縦横にお話しいただきました。隠しきれない鳥取愛がダダ漏れの、とっても素敵な女性です。

そして、順序が逆になったけれども、最初のページで、そもそも大阪事務所ってどんなところで、なにをしているところで、どんな人がいるところなのか?など、そもそもな総覧というか入門編を、前述の山梨県大阪事務所所長の広瀬信吾さんにお話ししていただきました。途中から甲州ワインが登場して、それはそれは楽しい取材に。
とても魅力的な人物の広瀬所長ですが、取材後に本国の山梨に異動となり、現在は山梨県勤務。最後に間に合いました。出会えてとてもよかったです!

最終ページには、北区にある都道府県大阪事務所のリストと、今夏、旧大阪中央郵便局跡地にオープンするKITTE大阪の「Feel JAPAN Journey」の紹介を。全国のアンテナショップが並ぶ、令和のアリバイ横丁です☆

というわけで、今号も盛りだくさんな内容となっています。
というか、大阪事務所を特集した雑誌って、もしかして史上初では? 僕は寡聞にして知りません。

広告屋のルイスとしては、全国の都道府県が出しているパンフや販促物が、ここを一周するだけで段ボール1箱分くらいは一瞬で手に入るのだということを強く訴えたい。
近頃のものはデザインレベルが高いので、たとえば駆け出しのデザイナーや専門学校生などにとっては、格好の見本の山です。しかも全部タダ! そーゆー使いかただってできます。
ということも訴えたくて、全ページ各都道府県の販促物でコラージュした誌面にしています。画像掲載点数は、つひまぶ史上ダントツかと。

つひまぶvol.24「都道府県事務所号」は、5月1日発刊。
現物は、各都道府県事務所か、北区の行政施設、地域施設、ほか、配架リストをご覧くださいませー。

contents

特集「都道府県大阪事務所」
『「ミスター」こと広瀬信吾山梨県大阪事務所所長に聞く 都道府県大阪事務所入門』(山梨県大阪事務所に聞く)
『〝ここだけ〟の情報がいっぱい 旅の情報収集はぜひ大阪事務所で!』(熊本県大阪事務所・北東北三県大阪合同事務所に聞く)
『ふるさと納税と企業誘致 大阪事務所の役割は主にパイプづくり』(福島県大阪事務所に聞く)
『親睦だけでなく、盛り上げ役を務めるのも県人会の役割』(関西大分県人会に聞く)
『勇気(U)と愛(I)で移住(J)を決めた(ターン)ら大阪事務所へ行ってみよう』(島根県大阪事務所+αに聞く)
『都道府県大阪事務所 ぐるりのこと。』取材で見つけてきた小ネタがいっぱい
『大阪市の東京事務所は何をしているのか?』(大阪市東京事務所に聞く)
・北区マップ考現学 – 都道府県大阪事務所にはマップがいっぱい – あえて事務所で紙のマップを広げて地図にワクワクを取り戻せ!
・彼女とキタのラブストーリー(第23回) – 鳥取県関西本部長 高務裕子さん

PDF

https://tsuhimabu.com/pdf/tsuhimabu_202405.pdf

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